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生きることを諦めないこと

本当の言葉を書きます

今やエアコンは普通らしい

公立小中への設置で自治体 教室にエアコン、懐事情
東京都99%、独自に補助 松山市2%、耐震を優先
 教室にエアコンを設置する公立小中学校が増えるなかで、15日に埼玉県所沢市で行われた住民投票は全国的に注目を集めた。文部科学省によると、公立小中学校のエアコン設置率は、100%近い東京都から1桁台の県まで、自治体ごとに大きな差がある。猛暑や騒音対策などを理由に設置が進んだ一方で、財政や節電の面から設置を見送る自治体も多い。

上空を自衛隊機が飛ぶ埼玉県所沢市立狭山ケ丘中学校(6日)


 文科省によると、全国の公立小中学校のエアコン設置率(普通教室分)は昨年4月時点で、32.8%だった。東京、香川、神奈川、京都の4都府県の設置率は沖縄県を上回っている。
 設置が急速に進んだ背景には猛暑や熱中症対策がある。東京都教育庁義務教育課によると、2010年の記録的猛暑がきっかけ。
 9月に入っても深刻な残暑が続き、教育現場から「暑すぎて子供が学習に集中できない」との声が上がったという。財政事情が厳しい市町村向けには都独自の補助制度を設けてエアコンの設置を促した。
 政令市では、川崎市さいたま市京都市などがエアコンを完備している。川崎市は09年度までに計165校ある市立小中学校の全普通教室に設置。2学期制を採用し夏休み後の授業が8月下旬に始まることになり、「涼しい環境で勉強できるよう配慮した」(市教育委員会の担当者)。
 北海道や東北の設置率は低いが、東京電力福島第1原発事故が起きた福島県では放射性物質への不安から設置する動きが広がった。同県伊達市は11年6月以降、すべての小中学校と幼保育園の教室に設置。同市教委は「当時は保護者らの不安が大きかったため必要と判断した」としている。
 ただ、厳しい財政事情から校舎の耐震化を優先したり、節電のために扇風機で対応したりする自治体も少なくない。
 「耐震化工事を最優先し、エアコンにまで手が回らなかった」。設置率(普通教室)2.2%の松山市教委の担当者は説明する。7~8月の最高気温は平均30度を超えるが、南海トラフ地震に備える学校の耐震化を優先した。
 設置率0%(同)は静岡市。同市教委の担当者は「夏には長期の休みがあり、エアコンを使う期間は1年のスパンで見ると短い」。学校施設の改修やトイレの洋式化などを優先しており、維持費用の面から今後の設置も消極的という。
 住民投票が行われた所沢市と同じく航空自衛隊入間基地に隣接する埼玉県入間市は、財政面から設置が進まない。教室にエアコンがあるのは小中学校27校のうち3校だけ。保護者からの要望は根強いが、「国の補助金を使っても財政的に厳しい。計画は具体化していない」(担当者)。

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