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生きることを諦めないこと

本当の言葉を書きます

野球ばかりでない生き方

静岡・栗林監督に聞く 県立進学校が野球部員集められる理由
栗林監督と静岡高校ナイン(C)日刊ゲンダイ
 静岡高校といえば、県内有数の県立進学校。今年も10人の東大合格者を出した。一方、明治29年創部の野球部も全国的な伝統校として知られ、今センバツが春夏通じて38回目の甲子園出場。そんな文武両道を謳う県立校ながら、実は野球部には推薦で入学する部員が少なくない。近隣県には「静高野球部は私立校と一緒」との声もある。栗林俊輔監督(42)に“カラクリ”を聞いた。

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――県立校なのに推薦で野球部員を獲得していますね。

「正式には学校裁量枠というものです。恐らく静岡県の公立校だけの制度だと思いますが……。これも学校によってどんな生徒を入学させるか異なる。サッカーの強い藤枝東高ならサッカー部に、私が前に監督をしていた浜松工高なら運動部全般、でした。基本、(学校裁量枠の)対象となるのは県内の子だけです」

――私学の特待生制度とは何が違うのですか。

「裁量枠と一般生徒では入試制度が違うだけで、後は全部同じ。授業もそうです。ウチは進学校ですから、野球も勉強も両方頑張れる子じゃないと入学してから大変です。もちろん、難関大学を狙う一般生徒に比べると裁量枠の子の学力は落ちます。でも、ある程度のライン、中学時代にそれなりの成績を残していないといけません(大石副部長いわく、『裁量枠の判断は各学校に任されているので、ウチならば授業についていける学力と野球のレベルになります』)。普通の高校生と比べても劣ることはありませんよ。野球だけしかやらない子を入学させても、いろいろと問題もありますからね」

――特待生とは違うようですが、それでも一般生徒との間に溝ができたりはしませんか。

「むしろ、理解を示してくれています。裁量枠の部員は学年ごとにまちまち。1学年に10人いることもあれば、ゼロの時もある。ウチは1学年8クラスで、そこに裁量枠をバラバラに割り振るようにしています。彼らだけで固まっていると、やはり他の生徒と溝ができてしまいますが、これだとクラスに溶け込める。こんなこともありました。ウチのエースの村木ですが、昨秋、学内の体育大会に出場することになった。その数日後に秋季県大会の決勝戦が控えていたのですが、学校行事だから出るのが当たり前。本人もそのつもりでいたら、クラスの同級生が『決勝が近いのに体育大会に出ている場合じゃないだろ! エントリー変更しろよ!』と言ってくれたんだとか。野球だけをやっている子ならば、そうは言われなかったでしょうね」