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生きることを諦めないこと

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8kのはじまり

シャープ 8Kモニターを来月末発売
業務用を先行 五輪買い替え狙う
 シャープはフルハイビジョンの16倍の解像度を持つ「8K(スーパーハイビジョン)」の液晶パネルを使った業務用モニターを10月末に発売する。2018年に国内で開始予定の8K放送をにらみ、放送局や映像制作会社へ先行して売り込む。8Kパネルはテレビにも搭載し、20年の東京五輪に向けた買い替え需要も狙う。部材と完成品の両方でパネル事業の収益改善を目指す。

実用化に向けた8Kモニターを来月の展示会で公開する


 8Kパネルの実用化は中国の京東方科技集団(BOE)に次ぎ、世界で2社目。BOEは日本の病院向けに今夏から出荷を始め、手術の様子などを高画質で記録・閲覧する用途を見込んでいる。
 シャープは8Kパネルの試作品を昨年秋に公開した。量産技術にめどを付けたため、実用化に踏み切る。業務用モニターは85インチパネルを使い、当初の販売価格は1500万~1600万円程度。量産とともに製造コストの削減を目指す。
 シャープの業務用モニターは画像処理の能力に優れた独自技術「IGZO(イグゾー)」を採用し、大画面でも高精細の映像を映し出せる。既にNHK向けに数十台の受注が内定した。NHKは8K対応のカメラを保有し、来年に始まるBSの8K試験放送に向けて画質チェックなどに活用する計画だ。
 シャープはパネルを主力の亀山第2工場(三重県亀山市)で生産し、栃木工場(栃木県矢板市)で業務用モニターに組み上げる。初年度は放送用を中心に20億~30億円の売上高を見込む。
 8Kモニターは美術館などの高精細な映像を配信する用途に引き合いがある。医療用では肉眼で確認しにくい極細の糸なども見えるため、医師が手術の作業を確かめるモニターなどとして需要が見込める。
 シャープの看板である液晶事業は15年4~6月期に137億円の営業赤字に陥った。収益回復を見込んだスマートフォンスマホ)向け中小型液晶パネルで価格競争が激しいためだ。テレビなどのデジタル情報家電事業も薄型テレビの普及が一巡し、値下げ競争などで16年3月期に30億円の営業赤字を見込む。
 8K製品はシャープが液晶、テレビの両事業を中長期に続けるうえで重要な戦略製品になる。シャープでは既に4Kがテレビ売上高の3割を占め、18年をメドに8Kテレビを本格的に販売する計画だ。
 18年以降は20年の東京五輪に向けた需要や、家電エコポイントなどで10年前後に売れたテレビの買い替えサイクルが見込まれる。業務用モニターで先行し、家庭向けテレビを含む量産の時期も稼ぎ続けられるかが注目される。

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