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新国立の設計射止めた隈研吾氏の軌跡
2015/12/22
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の新整備計画で、事業者の優先交渉権者が大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体に決まった。建築家の隈研吾氏がデザインを手掛けたA案だ。木材と鉄骨のハイブリッド構造の屋根を提案するなど、木材を多用したのが特徴だ。総工費は約1490億円。完成時期は19年11月末の予定だ。
デザインを手掛けた隈氏は、これまでも木材を多用した建築などで注目を集めてきた。ほかにも、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合樹脂)や炭素繊維ロッドを建築に採り入れるなど、新しい取り組みに注力した建築も少なくない。日経アーキテクチュアが報じてきたなかから、最近、隈氏が手掛けてきた建築や、隈氏へのインタビュー記事などを紹介する。
下記に紹介する記事の多くは有料会員向けだが、今回は特別に、12月25日までの期間限定で、一部を一般会員向けに再公開する。
隈氏へのインタビュー
隈氏が考える「日本に来たい」と思わせる建築
2020年の東京五輪に向け、国を挙げて訪日観光客の増加に取り組む日本。2014年4月には訪日外客数が日本人の出国者数を上回るなど、着実に来日する外国人は増えている。受け入れ国として私たちには何ができるのか。海外経験が豊かな建築家の隈研吾氏に聞いた。
木材を活用した建築
斜めの吹き抜けで 5層の回遊性促す [限]
フォーカス建築 TOYAMAキラリ(富山市)
「コンパクトシティ」を進める富山市の中心街に、図書館とガラス美術館が併存する再開発施設が誕生した。斜めに連なる吹き抜け空間が両施設の回遊を促す。吹き抜けは、不燃処理を施したスギ板のルーバーで包まれる。
庁舎の真上に分譲住宅、借金ゼロで地域再生促す [限]
フォーカス建築 としまエコミューゼタウン(東京都豊島区)
全国初の「本庁舎・分譲マンションの上下合築」として注目されていた豊島区庁舎が開庁した。区有地の権利変換と旧庁舎の跡地利用により、「借金ゼロ」で建て替えを実現。周辺の人の流れを変え、地域整備の起爆剤となることが期待されている。
多様な木のあしらいで駅舎改修
ウッドデッキの丘に建つ昭和の倉庫を再生した店舗
10月10日に東京・神楽坂にオープンした「la kagu(ラカグ)」は、およそ半世紀前の1969年に建てられた倉庫を改修した商業施設。躯体と構造をそのまま生かしたうえで、敷地のほぼ半分を階段状のウッドデッキで覆った大胆なアプローチが特徴だ。隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修を手掛けた。雑貨や飲食を扱うサザビーリーグ(東京都渋谷区)が開発と運営を担う。
隈氏が設計、建築とITを融合した研究棟が竣工
隈研吾氏が設計を手掛けた「ダイワユビキタス学術研究館」が竣工し、5月14日に開館した。この研究館は、大和ハウス工業が社会貢献事業の一環として施工し、東京大学に寄贈したもの。東京大学大学院情報学環がユビキタス分野の教育・研究拠点として活用する。総事業費は14億円だ。
60mm角の木組みで床を浮かす [限]
フォーカス建築 SunnyHills at Minami-Aoyama(東京都港区)
ローカルな店舗デザインが楽しい「世界各地のスターバックス」
新しい取り組みに挑んだ建築
隈氏がETFE使用し「柔らかい外壁」
隈研吾氏らが炭素繊維ロッドで初の耐震補強
染色大手の小松精練(石川県能美市)は11月13日、同社が開発した炭素繊維複合材料「カボコーマ・ストランドロッド」を耐震補強材として使用した展示施設「fa-bo(ファーボ)」を公開した。繊維産業や同社の取り組みを紹介する施設として小松精練の旧本社棟を改修したもので、炭素繊維ロッドを耐震補強に活用した建築改修としては世界初となる。
海外での建築
隈氏による「パリと日本の伝統の結婚」
パリの北エッジに1970年代に竣工した全長616mの大規模物流拠点を、地域に密着する交流と教育の拠点へと転換する複合施設プロジェクト。2007年にマスタープランナーに選出されたOMAが、2階建ての箱型の物流倉庫を分割して用いる計画を立て、それぞれコンペで選出された複数の建築家によるコラボレーションとなった。その仕組み自体がまず画期的で、歴史との対話、隣接する棟の建築家(オディール・デック)との調整といった刺激的なプロセスが求められた。
パリ新駅を隈氏が設計、分断された市街地をつなぐ
フランス国鉄(SNCF)はシャルル・ドゴール空港とパリの間に整備する新駅、「サンドニ・プレイエル駅(Saint-Denis Pleyel Emblematic Train Station )」の計画を、日本の隈研吾氏の設計で進めていることを明らかにした。隈氏は約20件の応募があった国際設計コンペで当選した。
そのほかの隈氏に関連する記事はこちらからご覧いただきたい。
[日経アーキテクチュア]
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