生きることを諦めないこと

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一度ミスすれば会社が潰れかねない時代

 ベネッセホールディングスは11日、原田泳幸会長兼社長が6月25日に退任し、福原賢一副社長が社長に昇格する人事を発表した。2016年3月期の連結決算が2期連続の最終赤字となり、同日、都内で開いた記者会見で原田氏は「経営トップとして責任をとる」と語った。主力の通信教育講座「進研ゼミ」の会員数の減少に歯止めをかけられなかった。


ベネッセHDの2015年度決算説明会で退任を表明した原田会長兼社長(11日午後、東京都中央区
 同日発表した前期決算は売上高が前の期比4%減の4441億円、営業利益は108億円と63%減った。

 通信教育事業の子会社、ベネッセコーポレーションが将来の利益を見込んで計上していた繰り延べ税金資産95億円を取り崩したため、連結最終損益は82億円の赤字(前の期は107億円の赤字)だった。

 業績悪化の要因は「進研ゼミ」の会員が減り続けていることだ。14年7月に顧客情報の漏洩が発覚した余波が続き、今年4月時点の会員数は243万人と、1年前に比べて11%減った。

 「進研ゼミ」を刷新しタブレット端末などを活用する「進研ゼミ+(プラス)」を打ち出したほか、会員の流出を止めるために自粛していたテレビのCMやダイレクトメールを再開している。

 しかし、こうした施策にもかかわらず、17年3月期の売上高は前期比1%減の4388億円、営業利益は31%減の75億円の見通しだ。

 業績低迷を受けて、9日には株価が一時22%安と、12年ぶりの水準に急落した。市場では「今のままでは業績回復のシナリオを描くのは難しい」との声が多く、同社株は11日まで3日続落した。後任の福原氏は少子化など教育関連の事業環境が厳しさをます中で、「進研ゼミ」の本格的な立てなおしに取り組むことになる。