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大学別「公務員就職者数ランキング」TOP10
東洋経済オンライン

12月12日 5時0分|Yahoo!ニュース
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大学別「公務員就職者数ランキング」TOP10
 これまで不況になると、公務員人気が高まることが多かった。企業の採用が減ると、安定している公務員を目指す学生が増えるからだ。ところがここ2年、文系学部の学生の就職が好調にもかかわらず、公務員人気は根強いままだ。

 

【図】大学別「公務員就職者数ランキング」1~200位(国家・地方別)


■「地元志向」が公務員人気の一因に

 その大きな理由は「地元志向」。受験生が地元大学へ進学し、地元企業へ就職する傾向が強くなっている。ある地方の進学校の進路指導教諭は「地元の国立大か、もっとも近い旧帝大に進学し、地元の市役所や県庁に就職するのが一番のエリートコースと考える生徒は少なくありません」と語る。

 最近の受験生は地元大学への進学を望み、大都市圏の大学には進学しない傾向が顕著になってきている。大きな理由のひとつが経済的な問題だ。都会に下宿して大学に通うのにかかる費用を、保護者が負担できなくなっているのである。地元の大学への進学なら、ほぼ学費の負担だけで済む。

 この地元志向は、就職でも同じことが起きている。ただ地元での就職となると、大都市とは異なり、地方では学生の就職先となる企業が少ないところもあるのが実情だ。地方大学のキャリアセンターの職員は「地元企業への就職を望む学生がほとんどですが、地元にそんなに受け皿がなく、厳しいのが実情です。今は大学選びで就職がいいことが大きなプラスになるため、大学としては就職率を上げていくほかなく、東京など大都市にある企業への就職を勧めています」と話す。

 
地元志向が強い理由

 地元への就職を希望する傾向が強くなってきた理由として、保護者の存在も見過ごせない。少子化によって、保護者が子どもを自分の手元においておきたい気持ちが強まっているのだ。遠くに子どもを送り出すのは心配で、目の届くところにいてくれたほうが安心との気持ちが強い。さらに子どもも、地元での生活を望む気持ちが強くなっている。

 そうした背景から、地元の就職先として、一定程度の採用数がある地方の公務員を希望する割合が高まっている。

 4ページ目以降の表は、各大学が発表した2016年卒業生の就職者数状況のうち、「公務員就職者数」が多かった大学をランキングにしてまとめたものだ。「公務員実就職率」は、公務員就職者数を卒業生数から大学院進学者数を引いた数で除した割合。さらに国家公務員と地方公務員の内訳も入れた。公務員には病院、非常勤講師、教員なども含んでいる。

■採用活発な教員は公務員人気の受け皿に

 就職者数トップは日本大学だ。920人が公務員になり、2位以下に200人以上の差をつけている。公務員への実就職率は7.1%となっており、地方公務員就職者数もトップの838人に及ぶ。公務員に強い大学といえよう。2位は立命館大学、3位が早稲田大学で、その差はわずか7人だ。

 早稲田大学は国家公務員が148人で、その内訳は国家公務員総合職が41人、一般職が63人となっている。地方公務員でも東京都職員Ⅰ類が118人、特別区(東京23区)職員が65人。その他にも東京都教員37人、埼玉県教員24人などとなっている。

 4位は国立大でトップとなった金沢大学中央大学が623人で並んだ。7位の愛知教育大学は、当然のことながら教員での就職者が多い。実就職率は66.9%の高率だ。就職したおよそ3人に2人が公務員ということになる。

 団塊の世代の大量退職で、大都市では教員不足がまだまだ続いており、教員採用が活発だ。文系の就職状況は改善してきているが、それまでは大学入試で教育学部の人気が高かった。地方自治体の財政状況は厳しいところが多く、新卒採用は厳しいまま。その一方で、教員採用は行われていたので、「形を変えた公務員人気の表れ」と見る教育学部関係者は少なくなかった。

 国立大学の公務員就職者が多い理由のひとつに、多くの大学に教員養成系学部が設置されていることがある。6位の広島大学、8位の新潟大学、9位の千葉大学は公務員への実就職率が2割を超えており、金沢大学にいたっては3割を超えている。大手私立大学は卒業生数が多いこともあるが、上位では実就職率10.1%の立命館大学を除けば、ほとんどが10%以下。教員養成系学部の有無が差となっている部分もある。
教員養成に強い私大とは

 10位は私立の文教大学が入っている。同大学は教員養成に定評がある大学で、教員就職者だけに絞ると全国4位と多く、私立大ではトップの実績となっている。それが結果として公務員就職者が多いことにつながっている。

 また、教員に限らず国立大が公務員に強いことについて、ある私立大のキャリアセンター職員は「やはり、センター試験を経て、入学しているのが大きい。3教科の入試で入学できる私立大とは異なり、広く学んできている分、採用試験に強いのではないでしょうか」と分析する。

 国家公務員を多数送り出しているといえば、東京大学が頭に浮かぶが、24位にとどまっている。公務員の内訳は公表されていないが、キャリアになる国家公務員総合職での就職者が多いことは間違いない。省庁への就職者だけでも222人に上り、全大学でトップの数字だ。内訳を見ても、総務省27人、国土交通省26人、経済産業省23人、農林水産省17人、厚生労働省16人、外務省と文部科学省がともに15人などとなっており、やはり省庁に強い。

センター試験経た国立大生は公務員試験にも強い? 

 昨年の国家公務員総合職試験合格者数を見ると、トップは当然、東京大で459人。ここから省庁へ就職していくということだ。2番目は京都大学の151人、3番目は早稲田大学の148人の順だ。総合職試験2位の京都大学の公務員就職者数は150人で90位、そのうち国家公務員は78人だった。

 一般職試験では、トップは早稲田大学の318人、2番目が中央大学の213人、3番目が立命館大学の196人だった。

 表中、公務員実就職率トップは98位の兵庫教育大学の89.7%。就職者のほぼ9割が公務員ということになる。2番目が66.9%の愛知教育大学、3番目が70位の宮城教育大学の60.6%と続く。国立の教育大学が強いのが特徴だ。さらに兵庫教育大学宮城教育大学とも公務員就職者は、すべて地方公務員だった。

 私立大学では122位の桜花学園大学が実就職率54.9%と表中でトップ、次いで153位の日本文化大学が同46.2%と続く。同大学は法学部の単科大で規模は小さいが、警察官の就職に強い大学として知られる。今年は警察官に57人が就職し、就職者の38%を占めるほどだ。警察官は都道府県内での勤務になるため人気が高く、国立大をはじめ多くの大学から就職している。

 女子大トップは37位の武庫川女子大学の298人。次いで46位の京都女子大学、48位の聖徳大学、49位の東京家政大学、88位の椙山女学園大学安田女子大学と続く。教員を中心に公務員が多くなっている。

 地元志向が強い今の学生にとって、これからどうなるか分からない社会情勢の中では、安定性抜群の公務員の人気は高い。各大学とも対策講座を設け、公務員希望者の学生へのサポートを強めている。人気はまだまだ続きそうだ。

安田 賢治
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最終更新:12月12日 13時45分

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