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生きることを諦めないこと

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息を吹き返す静岡空港

ロビーにあふれる中国人客、息吹き返す静岡空港

読売新聞 7月23日(木)7時27分配信

 2015年の訪日外国人旅行者は1800万人に上る見通しとなった。

 大きな原動力となっているのは、海外と地方空港を結ぶ航空路線の拡大などによって大挙して訪れる中国人客の旅行ブームや「爆買い」だ。

 ◆中国人客の奔流

 中国・上海にある旅行会社「上海春秋国際旅行社」は、干潮時にだけ島へ通じる道が現れる「エンジェルロード」を気に入り、瀬戸内海の小豆島を旅行プランに組み込む計画を練っているという。来日した創業者で春秋グループ会長の王正華氏は「世界遺産白川郷岐阜県)など村の風景で安らぎのツアーも企画したい」と話す。

 中国人客は東京、富士山、京都、大阪を結ぶゴールデンルートを好んだが、目的地は地方へと広がった。

 代表例が静岡県の富士山静岡空港だ。7月末時点で就航する国際線は13路線週47便と1年前の3路線週13便から大幅に増えた。飛行機が到着するたびに空港ロビーは中国人客らであふれる。

 日中間の協定で、混雑している羽田空港や成田空港を除くと、中国の航空会社は自由に航空路線を開くことができる。地方空港の失敗例とも言われてきた静岡空港は息を吹き返した。

 中国経済の先行きを懸念する見方もあるが、三菱総合研究所の佐野紳也主席研究部長は「所得の向上が続いている。中間層が増えているので(旅行需要は)大きく減退することはない」と指摘している。

 ◆日本では困惑も

 政府は東京五輪パラリンピックが開かれる2020年までに2000万人の訪日客を目指しているが、困惑も広がっている。

 東京都内の大手百貨店では、化粧品売り場に中国語が話せるスタッフを配置した。混雑時に接客の順番待ちが必要なことを説明しているが、中国人客らが割り込み、日本人客が買い物を諦めて帰るケースもある。

 イオンモール日吉津(ひえづ)(鳥取県日吉津村)では7月初め、県内の港に寄港した中国発のクルーズ船の乗客約4000人が来店した。村の人口を超える数だった。中国人に人気の化粧品や医薬品の仕入れを増やし、何とか常連客に迷惑がかからないようにしたという。

 関西などではホテル不足も深刻だ。近畿圏を中心に展開する阪急阪神ホテルズでは「金曜夜や土曜夜は満室が多く、予約は断らざるを得ない」という。日本人客にとっても泊まりにくい状態が続いている。