生きることを諦めないこと

本当の言葉を書きます

赤塚不二夫の娘に生まれたということ


赤塚りえ子 父・赤塚不二夫を語る

 

赤塚不二夫さんの娘でフジオ・プロ社長の赤塚りえ子さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。玉袋筋太郎さん、小林悠さんと父・赤塚不二夫さんについて話していました。



(玉袋筋太郎)でも、お父さんが漫画家さんっていうね。普通、周りっていうのはサラリーマンの人とか、いろんな商売やっている人、いますけども。やっぱりちょっと変わった環境ですよね。

(赤塚りえ子)そうですよね。でも、その変わった環境が変わっているって気づいたのは実は最近のことで(笑)。

(玉袋・小林)(笑)

(赤塚りえ子)最初から、家に赤塚不二夫がいると、なんかそれが当たり前になってしまって。で、ちゃんとした社会を知ると、『あら?うち、変かな?』っていうことが後で・・・っていうか、最近なんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)最近気づいた(笑)。当事者っつーのはそういうもんなのかもしれませんね。

(小林悠)だって家族ですものね。いちばん近い存在ですもん。

(玉袋筋太郎)まあまあ、でもそのね、赤塚先生が・・・考えてみりゃあ、トキワ荘ってすごいところですよね。

(赤塚りえ子)ねえ。本当にあの当時、やっぱり漫画っていうものが文化的にまだ、いまのように認められてない時にあれだけ漫画を目指していた仲間の方たちが、ひとつ屋根の下で一緒にがんばって。で、いまその方たちが結構みなさん、伝説的な・・・

(小林悠)伝説的な存在になってますもんね。

(玉袋筋太郎)トキワ荘がなければですよ、りえ子さんもいないわけですから。

(赤塚りえ子)そうですね(笑)。

(玉袋筋太郎)考えてみりゃあ。ねえ。でも赤塚さん。お父様とお母様。アシスタントでね。

元アシスタントの母

(赤塚りえ子)そうなんですよ。うちの母が父の女性アシスタントの第一号で。それで入ったんですけども。うちの母も、ものすごいギャグセンスがある・・・(笑)。

(玉袋筋太郎)そうでしょうね。

(小林悠)お写真を見ると、とっても美人な奥さまで。

(赤塚りえ子)ありがとうございます。

(小林悠)そんなのが想像できない感じでしたけどね。

(玉袋筋太郎)まあ、ぶっ飛んでいるお母さんだったってことですよね?

(赤塚りえ子)そうですね。かなりサイケデリックな感じだと思いますよ(笑)。

(玉袋筋太郎)いや、でもさ、イメージとしてはバカボンママをね、想像しちゃうんだけど。理想の女性ですから。全男性の理想のカミさんっていうのはバカボンのママだから。

(小林悠)母性もあり。

(玉袋筋太郎)そういったところって、お母さんにはあったんですか?バカボンママ的な、こう・・・

(赤塚りえ子)どっちかって言うと、そうですね。なんか父と同じようにギャグをやったり。割とその、漫画のアイデアとかそういうのに貢献したっていうか。そんなにバカボンのママみたいな感じではなかったから。うちの母は割とファザコンで。うちの父はマザコンで。で、ファザコンとマザコンの結婚だからちょっと、上手く行かなかったっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)面白い(笑)。

(赤塚りえ子)ただ、仕事ではすごいカップルだったと思うんですけど。

(玉袋筋太郎)だねえ。

(小林悠)ご結婚された後も、仕事上のアシスタント、そして漫画家っていう関係は続いていたんですって?

(赤塚りえ子)はい。そうです。で、私が生まれるまではずっと母も仕事に関わっていたんですけども。私が生まれることになって、仕事から全部、母は引いたと。

(玉袋筋太郎)で、フジオ・プロですよ。フジオ・プロがなけりゃ、『釣りバカ日誌』もありませんよ!ねえ。ないんですよ。北見先生だって。そういうことですよ。

(小林悠)全部つながっていく。

フジオ・プロの面々

(玉袋筋太郎)『ダメおやじ』だってないわけですよ。古谷先生だって、わかんないよ。本当に。そっから広がっているっていう。ああいうプロダクションをやるっていうお父様の考えって、すごいですよね。当時で言うとね。

(赤塚りえ子)そうですね。あの、とにかくやっぱり父って遊びが大好きで。

(玉袋筋太郎)遊びでしょう?

(赤塚りえ子)で、面白いことが大好きなので。で、なんかだから、どっちかって言うと仲間みたいな感じで。みなさん、また歳とかも近かったので。一緒になって楽しいことをたくさんしながら漫画を作り出していったっていう感じなんですよね。

(玉袋筋太郎)一緒になって遊んでいるって、大の大人がね、裸になって銀玉鉄砲を撃ちあっているっていう。どういう会社なのか?っていうね。プロダクション。

(小林悠)その2。銀玉鉄砲は撃ったり撃たれたりのサバイバル。お父さんは遊びの天才なのだの筋がありますけども。それはスタッフ同士で銀玉鉄砲を撃ちあっていたんですか?

(赤塚りえ子)そうなんです。これはすごくはっきり覚えているんですけども。当時の自宅の2階に8畳ぐらいの和室がありまして。10畳ぐらいかな?そこに大きな和室のテーブルを2つに、両サイドに立てまして。

(玉袋筋太郎)西部劇だよ(笑)。

(赤塚りえ子)そうです。盾になって。二手に分かれて、アシスタント。本当に、北見先生とか古谷先生とか。うちの父とかが隠れて銀玉鉄砲の撃ちあいをしてるんですけども。私の小さい時に見た時はもう一面、畳の上が全部銀玉ですよ。

(玉袋筋太郎)それが『大人買い』っつったのが面白いですよね(笑)。

(赤塚りえ子)そうそう(笑)。大人買いで。

(玉袋筋太郎)銀玉鉄砲の大人買い(笑)。それで・・・そっからバカボンのお巡りさんが生まれたかもしれないですね。

(小林悠)おおー。つながってるんですね。

(玉袋筋太郎)俺もよく『似てる』と言われる。

(赤塚・小林)(笑)

(玉袋筋太郎)そうそうそう。ねえ。

(小林悠)しかも、上半身裸で?

(赤塚りえ子)そうなんです。当たると痛くて面白いんで、上半身みんな裸になってやったそうですよ。私、すごいはっきり覚えてます。

(小林悠)『面白い』って、リアクションが面白いのか、なんなんでしょうね?それは漫画のアイデアにつながるという?

(赤塚りえ子)リアクションだったり、痛い方が面白いって。でも、どうしてなんでしょうね?(笑)。痛いのが面白いってすごいですけど(笑)。

(玉袋筋太郎)やっぱ編集担当の人も、赤塚先生と会議して、面白いギャグをガンガン出し合ってから作品にするっていう。13ページにまとめるっていうね。連載をっていう。そういったところってあるんだね。だから、真面目にやっているところは絶対にあるんですよね。あるんだけど、やっぱ遊んじゃうっていうところが。

(赤塚りえ子)そうですね。

(玉袋筋太郎)なんなんだろうな?お酒も飲むしね。

(赤塚りえ子)そうですね。すごいお酒は本当に・・・でも、仕事中には一滴も飲まないんですけれども、仕事が終わった瞬間に飲みに行って。こう、気分を・・・

(玉袋筋太郎)でもお父さんにね、飲みに連れて回されたっていう。ちっちゃい頃っていうの。いいですね、その話も。

(赤塚りえ子)そうですね。ありました(笑)。

(小林悠)ちっちゃい頃って、何才ぐらいの頃ですか?

(赤塚りえ子)もう幼稚園とか・・・あの、宴会場に連れて行かれて、みなさんにこう、お酌して。『いらっしゃいませー』なんてね(笑)。

(玉袋筋太郎)やってたわけね。あらららー。かわいいよ!

(赤塚りえ子)面白い。おもちゃみたいですよね。新しいおもちゃみたいに。ずいぶん本当、かわいがってもらいまして(笑)。

(玉袋筋太郎)そうかもしれませんよ。でも、どうだったんですか?周りから。赤塚不二夫の娘だからとか、やっぱりそういう目で?

(赤塚りえ子)ああー、そうですね。でも、あの頃って結構まだね、『赤塚不二夫の漫画を読むとバカになる』とかいう時代なんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)バカなこと言ってたよね。言ってるそいつがいちばんバカだよね。考えてみりゃあさ。

(赤塚りえ子)だからそういう、なんでね、あんまりそんなに自慢して言えることではなかったんですけど(笑)。

(玉袋筋太郎)でも、自分のお父さんのテレビのアニメとか、見てたりしたんですか?

(赤塚りえ子)そうですね。だから私はすっごい父の漫画が大好きですし。小さい時から本当に自然に手元にあったので。もう赤塚・・・

(玉袋筋太郎)少女漫画に行かなかったんですか?

(赤塚りえ子)行かなかったんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)潔いなー。素晴らしいですよ。うん。

(赤塚りえ子)本当に、自然にギャグ漫画。ナンセンス漫画に入ったので。だからなんか割と、なんでもギャグに見えるようになっちゃったのがちょっと、後遺症ですかね?(笑)。

(玉袋筋太郎)だから50まで気づかなかったんだよ(笑)。

(赤塚りえ子)そう。ヤバい(笑)。

(玉袋筋太郎)おかしな生活なんだなっていうのに気づかない。

(小林悠)生活全てがギャグに満ち満ちているという。

(玉袋筋太郎)で、まあお父さんがね、ちょっと家を出ちゃったりとか。別れちゃうっていう。

(赤塚りえ子)離婚しました。

(玉袋筋太郎)ですよね。そん時が、いくつの時でしたっけ?

赤塚不二夫の離婚と再婚

(赤塚りえ子)ええと、私が物心ついた時にはもう父は家に帰ってきていなかったんですけども。でも、離婚は多分、8才の時だったんですけども。でも、その頃にはもう姿はなかったです。

(玉袋筋太郎)ヒットメーカーだからさ。

(赤塚りえ子)もう、離婚する前から家にはあまり、ほとんど帰ってこなかったですね。

(玉袋筋太郎)ねえ。それで久々、中学の時に会った時。『これからメシに行こう』っていう時に女を連れてきたっつーんだからね。ちょっとすごいよね。

(赤塚りえ子)(笑)

(小林悠)やっぱり恥ずかしかったんでしょうか?2人きりで会うっていうのは。

(赤塚りえ子)そうですね。初デートっていう風になって。私が中学の時なんですけども。その時に連れてきた女性が、父が再婚する眞知子さんっていう。

(玉袋筋太郎)はい。第二夫人ですね(笑)。

(赤塚りえ子)第二夫人になる(笑)。

(小林悠)眞知子さんも、もともとお母様がお父様に紹介されたと?

(赤塚りえ子)いや、途中で私が眞知子さんがすっごい面白い人で。うちの母と絶対に気が合うなと思ったんで。で、私が引き合わせたんですね。眞知子さんと(笑)。

(玉袋筋太郎)そこがすごいんだよ!

(赤塚りえ子)そしたら2人が意気投合して。赤塚不二夫っていう共通の話題でかなり盛り上がって(笑)。

(小林悠)ええっ!?

(赤塚りえ子)それで仲良くなって。それで、うちの母が『眞知子さんと籍、入れた方がいいんじゃない?不二夫さん』っていうことで。で、うちの母が書類にサインしまして。

(小林悠)保証人みたいに?

(赤塚りえ子)はい。保証人になりまして(笑)。

(玉袋筋太郎)それが普通だったって思ったって(笑)。いや、いいんです。それぞれの形があるんですもんね。

(赤塚りえ子)それが本当に普通だったので。うちは。だからその、結構、父の再婚の記者会見に母と私も同席したので。それがなんか面白いっていうんで、結構世間で驚かれて。その反応を見てびっくりして。『えっ、これ驚くことなのかな?』って。『これ、違うのかな?』っていう(笑)。『どこが普通と違ったんだろう?』っていう(笑)。

(玉袋筋太郎)まあ、そういう物差しじゃないんだもんね。赤塚先生自体がさ。やっぱり。

(小林悠)だって、ウケるためなら死んでもいいっていう方なんですもんね。

笑われることに命がけ

(赤塚りえ子)そうですね。もう面白いこと、笑われることにはもう命がけで。やってましたね。

(玉袋筋太郎)かっこいいよねー!お尻にロウソク突きさしたりとかさ。なんなの、それ?

(赤塚りえ子)アイデア、すごいですよね。(笑)。

(玉袋筋太郎)すごいですよね。

(小林悠)それ、火はついてないですよね?

(赤塚りえ子)いや、火をつけた極太のロウソクをお尻にさして。後ろ向きに、四つん這いになってこう、後ろ向きに歩いてきたっていう・・・

(玉袋筋太郎)だからもう、ゴールデン街でタモリさんとやっていたそのロウソクショーとかさ。2人でやっていたらしいもんね。こう、垂らして。

(小林悠)ええっ!?

(玉袋筋太郎)面白いよー!

(小林悠)面白い!それを凌駕する、軽井沢ムササビ事件っていうのがあったそうですが。それは、なんなんですか?それを超えているというのは?

(赤塚りえ子)これはその、タモリさんからお伺いした話なんですけど。ある年の冬に放送作家の高平哲郎さんの別荘にみなさんで行ったらしいんですよ。うちの父もいて。で、その時に雪の中で、素っ裸で次々と思いついたギャグをやるっていう。素っ裸で雪の中で本を読むとか、そんな感じの(笑)。平気な顔をして。

(玉袋筋太郎)わかりますよ!近いですよ、我々も。ええ。やってますよ!ええ。でも、いいですよね。なんだろう?その、バカだよね!本当。

(赤塚りえ子)それ、褒め言葉です。『バカだよね』って(笑)。

(玉袋筋太郎)『バカだよね』っつーのはやっぱ、最高の褒め言葉だよね。うん。

(赤塚りえ子)それを父は言われるために必死に(笑)。その『バカだよね』って言われるために命がけで、ロウソクをさしたり。

(玉袋筋太郎)ムササビの形で飛んじゃったりね。

(赤塚りえ子)素っ裸で木から『ムササビ!』って言おうと思って、飛び降りたんですけど、『ムサッ・・・』で落ちちゃったんです。

(小林悠)(笑)。距離が足りなくて?

(赤塚りえ子)そう(笑)。でも、『ムササビ!』って言えたら、たぶん死んでたかもしれないです(笑)。

(玉袋筋太郎)あぶねー。高さで言ったらね。

(小林悠)『ムサッ・・・』でよかったですね。

(赤塚りえ子)よかったです(笑)。

(玉袋筋太郎)いやー、もうたまらないよね。いちいち、いちいちいいよね。そこに出てくる人たちとかさ。タコ八郎さんが出てきたりとかさ。ねえ。だってホームレスに家、あげちゃったりとか(笑)。なんなの?その、お父さん(笑)。

(小林悠)なんか営業のサラリーマンの方も住まわせてしまったりとか。

(赤塚りえ子)そうですね。うちには毎日、『天才バカボン』のバカ田大学の先輩とか後輩みたいな感じで。毎晩、いろんな方がいらっしゃって。

(玉袋筋太郎)いろんなバカが。

(赤塚・小林)(笑)

(玉袋筋太郎)ねえ。やっぱすごいよな。天才というのは。

(小林悠)あの、天才というのはすごいっていう発言がいま、ありましたけど。私、すごいを超えているなと思ったのが、その5の筋ですね。『不二夫の娘なのにつまんねえな』でヌード撮影を決意。でも、約束が違ったって。これ、すごい話ですよね。これは、お父さんの方から?

『不二夫の娘なのにつまんねえな』でヌード撮影を決意

(赤塚りえ子)そうです。ハタチになって。ハタチの記念ヌードっていうあれなんですけど。なんか呼び出されて。どっかの上品なバーに。うちの父が長友健二先生と一緒にいらして。で、呼ばれて行ったらいきなり『お前、ヌードになれ!』っていきなり言われて(笑)。

(小林悠)普通、娘に言わないですよね。

(赤塚りえ子)私はそこで反射的に『嫌だ!』って言ったんですけど。そしたらすぐに『お前、赤塚不二夫の娘だろ?つまんねえな!』って言われたんですよ。それがすっごい悔しくて。

(玉袋・小林)(爆笑)

(赤塚りえ子)悔しくて。『つまんねえな』は『バカ』の反対で。『バカ』が褒め言葉の反対が『つまんねえな』で。それがすっごい悔しくて。それで、決意しました。

(小林悠)その場で決意をし?

(赤塚りえ子)いや、その場じゃなかったんですけど。一応、ちょっと母に聞いたら、『いや、いいんじゃないの?』って。

(玉袋筋太郎)(笑)

(赤塚りえ子)『すごい名前のある方に撮ってもらうんだから』って。そういう感じで(笑)。

(玉袋筋太郎)それで約束が違ったって、どういう?

(赤塚りえ子)それで、まあ条件として、私が写真を選べるっていうことで。それで、あんまり正面から写っていないのを選んだんです。背中とか。そしたら、雑誌に載ったものが正面からドーン!と写っているので。で、うちの父に電話で『約束と違うじゃない!』って電話をかけたら、『お前の背中なんか、誰が見たいか!』って怒られたんですよ。

(玉袋筋太郎)かぁー!

(赤塚りえ子)その時に『あ、これがプロの世界なんだな』と思って。『私が甘かった』と。

(玉袋筋太郎)(笑)

(小林悠)いや、それを納得するのも素晴らしい!すごいです。

(玉袋筋太郎)ねえ。小林さんもヌードだよ。

(小林悠)いや、言われても、誰に言われてもできないですよ。すごい。本当にすごいです。

(玉袋筋太郎)ねえ。もう全ての生活をギャグにしたっていうところでね。でも、晩年はちょっと体調を崩しちゃって。

晩年の赤塚不二夫

(赤塚りえ子)そうですね。お酒をかなり飲んでいたので。

(玉袋筋太郎)幻覚とかね。

(赤塚りえ子)ああ、見てましたね。

(小林悠)お酒をやめると幻覚が見えるんですか?

(赤塚りえ子)そうですね。ずーっと飲んでますので。もう依存症になっているので。お酒をやめるといろんなものが動き出したり・・・

(玉袋筋太郎)わかります。いや、『わかります』って(笑)。

(赤塚りえ子)ちょっと(笑)。

(玉袋筋太郎)あとちょっとだ。『あとちょっとだ、俺も』って(笑)。

(小林悠)ダメです。ダメです。それでも、赤塚不二夫さんの残したものというのは、本当に偉大でして。

(玉袋筋太郎)改めて、どうですか?今年、生誕80周年で、娘さんから。もうね、知らない人、いないですからね。

(赤塚りえ子)うれしいです。

(玉袋筋太郎)お父さんはいなくなっても、でも、バカボンはいるんですよね。

(赤塚りえ子)うれしいです。父が言っていたんですけど、作者がいなくなっても作品は生き続けていくんだっていう風に、父がインタビューで言った言葉をすっごく実感してます。本当、漫画の中に父が生きてますし、漫画が読まれていくことで父がずっと生き続けているっていう。いまでもだから、体はなくなっちゃってますけど、なんか父が生きているっていうのが実感できるのがすごくうれしいです。

(玉袋筋太郎)そうですよね。

(小林悠)玉さんもほら、お読みになりました。私も読みましたけど。この『赤塚不二夫 実験マンガ集』っていうのを私、読んだんですが。たとえば、『読んでいる人をイライラさせる漫画』っていって。コマが急に2ページほど進んだりとか。で、また戻ったりとか。本当に実験的な作品を。



(玉袋筋太郎)ページ1ページ、バカボンだからね(笑)。

(小林悠)そうそう!普通じゃ考えつかないような展開があって。私、びっくりしました。現代アートだなという風に思いましたけどね。

(玉袋筋太郎)うん。

(小林悠)しかも、この本もそうなんですが。『赤塚不二夫の「バカ」に 学ぶ』という作品。こちらも絶賛発売中でして。これは放送作家の高平哲郎さんですとか、フォークシンガーの三上寛さん。あとはタモリさんの話もそうですし。そういった親交のあった人々が、その凄さについて語っているご本となっております。



(玉袋筋太郎)やっぱね、なんだろう?角が立たないね。角が立つって嫌じゃないですか。なんか。角が立たないもんね。赤塚先生っていうのは。

(小林悠)何をやっても愛される方っていうことですよね。

(赤塚りえ子)ありがとうございます。

(玉袋筋太郎)そりゃ、離婚したって角が立ってねえんだからさ。どうなんだろう!?

(赤塚りえ子)(笑)

(小林悠)ずっと円満ですもんね。

(玉袋筋太郎)神様だな。うん。

(小林悠)そしてさらにさらに、赤塚りえ子さんの『バカボンのパパよりバカなパパ』という作品、文庫本になりました。こちら、昨日発売されたばかりなんですね。



(赤塚りえ子)はい。発売されました。

(小林悠)秘蔵の写真もたくさん出てますね。

(赤塚りえ子)そうです。また、5年前に出た単行本の文庫化なんですけども。そこにまた新たな爆笑エピソードや、いろいろな写真も、新しい写真も収録して文庫本になって、幻冬舎から出ております。よろしくお願いします。

(玉袋筋太郎)読書の秋に、これ読んでバカになっていただきたいですよね。バカっていい言葉だな!

(赤塚りえ子)大好きです(笑)。

(玉袋筋太郎)俺も!うん。

(小林悠)褒め言葉ですから。

(玉袋筋太郎)そういうことよ!

<書き起こしおわり>

 

 
 

会社は護らない

闘莉王 一方的退団に怒り…2度目の“肩叩き”で「心ズタズタ」
スポニチアネックス 11/7(月) 6:19配信

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闘莉王 一方的退団に怒り…2度目の“肩叩き”で「心ズタズタ」
来季契約しないことを通達された名古屋DF田中マルクス闘莉王拡大写真
 クラブ史上初のJ2降格が決定した名古屋の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が今季限りで退団することが6日、決まった。昨年オフには年俸の減額を提示され、契約が折り合わず退団。シーズン途中の8月にクラブ側の要請で復帰したが、来季契約しないことを通達された。またボスコ・ジュロブスキー監督(54)と契約を満了すると発表。新監督候補ポール・ル・グエン氏(52)とフランク・デュリックス氏(51)が急浮上した。

 W杯南アフリカ大会も経験したDF闘莉王ですら平静を保つことはできなかった。「またか、という感じ。2回も苦しませてくれるのか、と」。昨オフに続く非情な通告。怒り、悲しみ、失望。降格の責任を背負わされるかのような仕打ちに、涙を通り越して自虐的な笑みを浮かべるしかなかった。

 「去年の間違いを反省して、次に進むべきじゃないか。方向性が見えてこない」。継続路線で1年でのJ1復帰を果たした広島(07年に降格)やG大阪(12年に降格)の例を挙げ「そういったところを勉強してないな、と改めて思う」と親会社のトヨタ自動車のやり方を嘆いた。

 今回の降格は親会社から出向する幹部らと久米社長らのあつれきが招いた。指導者経験ゼロの小倉前監督をリーグ戦17試合連続勝ちなしでも交代をせずにいた。小倉前監督からジュロブスキー監督に交代し、闘莉王が復帰したのは残り8試合の時点。妊娠中の新妻をブラジルに置いて復帰した。その後3勝1分け3敗と最終戦まで残留争いをした。そんな闘将の気持ちを踏みにじるように契約を打ち切る通告に「心がズタズタです」とうつむいた。

 「去年もいろんな選手を取りにいって来なかった。そういう情報は選手間で流れる。選手が出ていくのも引き留められない。このままではJ1に戻ってこれない」。あまりにも身勝手なクラブのやり方を最後まで危惧していた。
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最終更新: 11/7(月) 6:19
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赤塚不二夫

35年間赤塚不二夫の担当編集者として寝食を共にして、たくさんのギャグ漫画を送り出してきました。赤塚先生の生活そのものが常に笑いを追及して遊びこそ源とばかりの生活なのだニャロメ!
天才バカボン
困ったときはタリラリラ~ン
ギャグ漫画王 その1
ギャグ漫画王 その2
赤塚不二夫いろいろ
フジオ・プロダクション
レッツラゴン
赤塚不二夫作品 その1
赤塚不二夫作品 その2
赤塚不二夫作品 その3
赤塚不二夫作品 その4
愛すべき赤塚先生

これでいいのだ!!!
愛すべき赤塚先生
赤塚不二夫先生
赤塚不二夫さんの葬儀には、交友の広さを物語るように1200人ものマンガ関係者や出版社そしてファンの方が参列しました。

私生活もとても不思議な私生活。結婚は2回していますが、2回目の結婚は長年つきあっていた関係を理解したうえで奥さんが進めての再婚。その再婚記者会見には、新妻の他にも先生と娘も同席のうえでの記者会見。そして再婚相手と前妻も仲良くなり、先妻が再婚したらその元妻の再婚相手とも仲良くなって2家族で旅行に行ったり・・。もちろん再婚したからといって浮気をしないわけでもありません。まるで空気を吸うかのように、浮気は繰り返しいつも行くラブホテルはツケで行く。そしてそのツケの支払いには奥さんが行く。あっぱれとしか言いようがない私生活を送っていました。そしてその周囲に軋轢を生み出すことがないのが、まさに赤塚不二夫の人柄ではないでしょうか。

娘がヌード写真を撮る。となったら「絶対にゆるさんーーー!!!」が一般的。でも赤塚不二夫は違います。自分の娘が20歳の時にヌード写真を撮れ!と知人の写真家に依頼してそのヌード写真が『フライデー』に掲載されたこともありました。娘の赤塚りえ子さんは、父親にヌード写真を撮れといわれた当初は抵抗があったといいます。しかし「今となっては、別にヌードになっていようがいまいが、どうでもいい話で、むしろ若い頃にああいう上手な写真家に撮ってもらったことはいい思い出になっている」と語っています。その赤塚りえ子さんが著書で述べているエピソードに、赤塚不二夫の人柄がしのばれるものがあります。

天才バカボン』の原稿を徹夜で仕上げて、原稿締め切りの前日に編集者に渡しました。編集者は「ありがとうございます。明日印刷所へ入れます。」と帰っていきました。その1時間後・・真っ青な顔をした編集者が戻ってきて「先生申し訳ありません。原稿をタクシーに置き忘れてしまい無くしてしまいました。」烈火のごとく怒鳴り散らしてしまいますよね?!もしくは絶句して取り乱したり・・・

赤塚不二夫は違いました。怒る気配も微塵もなく「ネームが残っているからまた描ける」と言ったそうです。いくらネームがあるからといっても、絵はもちろん全部すべて描かなくいけないのにもかかわらず・・ 「今から取り掛かるぞ!」ではなく、「まだ少し時間がある。飲みに行こう」と落ち込んでいる編集者を気遣って飲みに行ったのです。もちろん少し飲んでから帰宅して、また数時間の時間をかけて原稿を仕上げたといいます。編集者に原稿を渡したときには「2度目だからもっとうまく描けたよ」という言葉もあったといいます。

赤塚不二夫にとって、いつも一緒に飲んだりふざけたりしている編集者が原稿をなくしたことぐらいで落ち込んでいることが我慢できないんです。原稿なんてどうでもいい。また描けばいいのだから。【常に面白いことを・・】を追求し続けているからこそ出た言葉かもしれませんが、なかなかできるものではありません。編集者がタクシーで無くしてしまった原稿は1週間後にタクシー会社から赤塚不二夫宅に送られてきました。紛失した原稿をどうしたでしょう。二度と同じ失敗を繰り返さないように。と編集者にプレゼントしたそうです。 怒ることは簡単なのに、怒りのカケラをだすこともなく最初の原稿をプレゼントした度量の広さ。こんな人物だから、この人のためなら・・と自然と周りの人たちが赤塚不二夫を慕うのかもしれません。

そして編集者はその原稿をずっと手元に大事に持っていました。赤塚不二夫が故人になったときに「この原稿は役割を終えたから」と娘さんに戻したそうです。現在のフジオ・プロには「天才バカボン」の同じ回が二つある。と娘さんは著書で締めくくっています。

赤塚りえ子略歴
1965年(昭和40年)・・・ 東京都新宿区歌舞伎町の新宿赤十字病院で生まれます。
1973年(昭和48年)・・・ 8歳の時に両親が協議離婚をしました。赤塚姓のまま母親に引き取られて育ちます。
東京都世田谷区の私立女子高を卒業した後は、新宿区の専門学校で映像芸術制作を学びますが1年で中退。父親鳳啓助と親しかったことから、京唄子・鳳啓助の「唄啓劇団」の公演に加わって、時代劇で目明しの子分などを演じています。ギャグ劇団「東京ギャグポンプ」でも活動していましたが、1年半で女優活動を停止しています。
1989年(平成元年)・・・唄啓劇団のスポンサー会社の社員用施設で働いていた24歳の時に、アルバイト先で知り合った新入社員と結婚します。
1980年代・・・初頭ごろより、イギリスのエレクトロニック音楽に傾倒していたことからイギリス国への定住を志して、20代半ばから英語を学び直します。
1992年(平成4年)・・・夫と離婚。
1994年(平成6年)・・・イギリスに渡り、レスターの学校で英語を学びます。
1995年(平成7年)~1997年(平成9年)・・・イースト・ミドランド地方にある都市ダービーでアートを学びます。
1997年(平成9年)・・・ロンドンへ移ります。
1998年(平成10年)・・・ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジファインアート科に入学。在学中から展覧会に参加します。
2001年(平成13年)・・・ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジファインアート科卒業。卒業制作展でギャラリーにスカウトされて以降、現代美術家として国内外で活躍。
2002年(平成15年)・・・37歳の時に、33歳のイギリス人男性と結婚。この年からロンドンのギャラリー「ダニエル・アーノ・コンテンポラリー・アート」に所属します。リトアニアで開催された「第8回バルティック国際アート・トリエンナーレ」に招待されます。
2005年(平成17年)・・・イギリスの永住権を取得します。
2006年(平成18年)・・・ 前フジオ・プロ社長で、赤塚不二夫の2番目の妻・赤塚眞知子の急逝に伴って、急遽12年間過ごしたイギリスより帰国して、その後フジオ・プロ社長に就任します。
2008年(平成20年)・・・7月30日に母親を亡くします。その3日後の8月2日には父親赤塚不二夫が死去しました。
父と母を相次いで亡くしたことで、失意に陥っていましたが夢の中で父親赤塚不二夫に「死んではいけない。りえ子、生きなさい」と言われ元気を取り戻したといいます。
反対の賛成なのだ!

元ブレーン長谷邦夫
赤塚不二夫はチームで仕事をしていましたが、その中でもリーダ格だったのが長谷邦夫です。『ライブ・イン・ハトヤ』や『ウナギイヌ合唱隊』といった赤塚不二夫が漫画以外の活動をした時にも、常に赤塚不二夫と共に行動したりといった一心同体の存在でしたが、赤塚不二夫が酒に溺れるようになり漫画活動に支障を来たすようになったとされる頃の1994年(平成6年)にフジオプロを退職して、現在は単独で仕事をしています。

フジオプロを離れてから、赤塚不二夫が病に伏した頃には、複数の出版社に「一時期の赤塚名義の作品は自分がほとんど描いた作品だから、その頃の作品の印税はこちらに払って欲しい」と金銭の催促したことがきっかけとなって、赤塚不二夫とフジオプロとは完全に絶縁状態となりました。そして結局最後まで、赤塚不二夫の葬儀にも参列していません。

密接な時代を赤塚不二夫と一緒に過ごしていたからこそ、憎しみが強くなってしまったのでしょうか・・・

文学青年だった
1937年(昭和12年)4月7日に東京府東京市葛飾区(現:東京都葛飾区金町)に生まれて育ちました。少年時代は『漫画少年』に投稿しています。

石森章太郎が主宰する東日本漫画研究会の同人となって、肉筆回覧同人誌『墨汁一滴』の執筆陣に加わりました。石森や赤塚不二夫らが住んでいる豊島区椎名町トキワ荘に出入りしていたので、新漫画党員ではありませんが広い意味で「トキワ荘メンバー」に含める場合があります。東京都立芝商業高等学校を卒業後してから塩野義製薬に就職しましたが、結核の兆候が発見されたこともあった、入社後3ヶ月で退職して漫画一本の生活に入ります。曙出版を中心に貸本マンガを1964年(昭和39年)まで約7年間執筆しました。この時期には、徳南晴一郎(怪奇漫画家)の仕事を手伝ったこともあります。その後は、トキワ荘グループが創立したアニメ企画会社スタジオゼロに入社します。そのままスタジオゼロ社の雑誌部のチーフアシスタントとなって、『オバケのQ太郎』や『レインボー戦隊ロビン』を手掛けました。1965年(昭和40年)赤塚のフジオ・プロダクション創立に参加しました。

1969年(昭和44年)に『COM』に連載された「バカ式」(つげ義春の「ねじ式」と赤塚不二夫の『天才バカボン』の混合)に代表される一連の混合パロディ漫画は、当時流行っていた漫画評論でのギャグ漫画軽視や過剰解釈に対する強烈なメッセージとなりました。しかし、掲載誌の変更に伴って、そういったメッセージ性は減少していきました。

フジオプロではアイデアマンと作画などを担当して、『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』『もーれつア太郎』『ギャグゲリラ』といった主要作品の全てに関わっています。また、赤塚のアメリカ取材や赤塚が企画した写真漫画(週刊少年サンデー掲載。アクターとして出演)にも携わったほかに、「赤塚不二夫責任編集」と銘打った雑誌『まんが№1』の事実上の編集長となって、後年は赤塚のマネジメントも担当していました。実際にゴーストライターとして赤塚名義で発表した原稿も多くあります。 もともと現代詩を書く文学青年でもあったので、江戸川邦生名義で小説も発表しています。SF同人誌『宇宙塵』の初期からの会員でもありました。他に、1974年(昭和48年)井上陽水の『氷の世界』収録曲「桜三月散歩道」(元は『まんがNo.1』の付録のソノシートのために作成された曲)の作詞で日本作詞大賞LP賞受賞しています。

1970年代は山下洋輔トリオとの交友も深かったので、タモリが上京して初めて芸を披露した場面にも立ち会っています。フジオ・プロから独立して以降は、漫画家として創作活動をするよりも、講師として後進の指導を行っています。このため、同年代の漫画家よりも現在の漫画事情に詳しくなっています。2006年(平成18年)4月からは、アートアンドスポーツ専門学校が新設した小説・シナリオ科の大衆文藝演習の講師も務めています。

漫画作品
1958年(昭和33年)・・・『殺人鬼を逃すな』 :曙出版
1968年(昭和43年)・・・『しびれのスカタン』(赤塚不二夫原作):曙出版
1969年(昭和44年)・・・『東海道戦争』(筒井康隆原作):朝日ソノラマ
1971年(昭和46年)・・・『フジオプロ作品集 ニャゴロー』: 曙出版
1992年(平成4年)・・・『南方熊楠 民話・粘菌・密教』 :ダイヤモンド社
1992年(平成4年)・・・『出口王仁三郎“軍国日本”を震憾させた土俗の超能力者』:ダイヤモンド社
1992年(平成4年)・・・『アインシュタイン はじめて宇宙の果てまで見た男』 :ダイヤモンド社
1992年(平成4年)・・・『フロイト あなたの深層心理にいま一つの光が当たる!』:ダイヤモンド社
1992年(平成4年)・・・『ノストラダムス 滅亡へのカウントダウンが始まった!』:ダイヤモンド社
1994年(平成6年)・・・『カーマスートラ』 :漫画原作担当 絵:永井豪徳間書店
2005年(平成17年)・・・『赤塚不二夫 天才ニャロメ伝』 :マガジンハウス
パロディ漫画作品
1969年(昭和44年)・・・『赤塚ギャグ笑待席』「スパイ代作戦」: 週刊少年ジャンプ掲載
1970年(昭和45年)・・・『フジオプロ作品集 バカ式』 :曙出版
1971年(昭和46年)・・・『少年マネジン』: 実業之日本社
1972年(昭和47年)・・・『フジオプロ作品集 アホ式』: 曙出版
1975年(昭和50年)・・・『フジオプロ作品集 マヌケ式』: 曙出版
1978年(昭和53年)・・・『フジオプロ作品集 絶対面白全部』: 曙出版
2002年(平成14年)・・・『パロディ漫画大全』:水声社
漫画以外の主な著書
『脳に気持ちいい乱読術』・・・ダイヤモンド社2
『天才バカ本なのだ!!!―忘れようとしても思いだせないパパの謎』・・・評伝社 :バカ田大学バカボン研究会編 (共著)
『ギャグにとり憑かれた男―赤塚不二夫とのマンガ格闘記』・・・冒険社
『漫画の構造学!―マンガ・まんが・漫画・劇画・万画・コミック・ポンチ絵「分析ノート」』 (大学での講義用ノートに基づく漫画学教科書)・・・ インデックス出版
『漫画に愛を叫んだ男たち』・・・ 清流出版
『1の思想』・・・エムジー
『ニッポン漫画雑誌名鑑』・・・データハウス
『ニッポン漫画家名鑑―漫画家500人のデータブック』・・・データハウス
『ニッポン名作漫画名鑑―名作漫画194本いっき読み!!』・・・データハウス
『マンガ編集者狂笑録』・・・水声社
『マンガ家夢十夜』・・・水声社
『あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道』
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「夜はねるべし」

シーチキン炎上

シーチキンのゴキブリ炎上、「公表しない」宣言が運命を分けた
ダイヤモンド・オンライン

11月3日 6時0分|Yahoo!ニュース
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ゴキブリ混入というショッキングな出来事はもちろんだが、「公表しない」と言い切ってしまった広報対応のまずさが、大炎上の決定打となった(写真はイメージです)
 はごろもフーズのシーチキンにゴキブリ混入が発覚した。2014年12月、ペヤングの焼きそばにゴキブリ混入が発覚し、半年の長きに渡って販売中止となった事件は記憶に新しいが、両ケースとも、不祥事そのものに加えて、お粗末な広報対応がネット上の「炎上」に油を注いだ。

● 「公表しない」と言い切ったために ネット上では大炎上に発展した

 ペヤングを苦しめたあの「黒い悪魔」が、今度はシーチキンに「大炎上」をもたらした。

 10月27日、「シーチキンLフレーク」に1.5センチほどのゴキブリの死骸が混入していることが発覚した。

 メディアの取材に対して、製造元のはごろもフーズが「同様の申し出がなく他の商品への混入はない」と公表や自主回収などの対応をとらないと回答したことに、ネットのみなさんの怒りが爆発してしまったのだ。

  「不誠実すぎる」
「初動対応を完全にミスったな」

 このような批判の嵐をうけ、同社は慌てて、ホームページ上に「お詫び」を掲載。混入の事実を公表したものの、鎮火するどころか、「言い方が気に食わない」「上から目線だ」とさらに炎上。翌日には、当該製品の協力企業名まで明記して、製造休止を宣言する「お詫び②」を掲載する事態に追い込まれる。当然、株価も下落。28日までに苦情や問い合わせは約900件にも上ったという。

 さらに、11月1日には新たな「燃料」が投下される。なんと2014年に、同じ「シーチキンLフレーク」に7~8ミリのハエが混入したことがあったという「前科」が発覚したのだ。

 製造元は今回と同じ工場ということで、「ハエとかゴキブリとかどうなってんだ! 」と批判がさらにエスカレートした。

 しかしまたもや、事態をさらに悪化させたのは、ハエの件で取材申し込みをしたメディアに対して、広報担当者が放った言葉だった。

  「回答を控える」

 いろいろ事情があったのかもしれないが、リスク下での「ノーコメント」は広報コミュニケーション的には「失言」とされる。ネットでも、「隠蔽企業」「もう買わない」などこれまで以上に厳しいバッシングが起きている。ちなみに、11月2日現在、はごろもフーズのホームページには、まだハエについての声明はない。

 そんな現在進行形で「業火」に包まれているはごろもフーズだが、じゃあいったいどのような「初動対応」をすればよかったのだろうか。
● マスコミによって報じ方はさまざま 印象は最初の報道に左右される

 実際の火事で不審火の原因を特定するために、とにかく発火元がどこかを割り出すのと同じく、炎上の原因を考えるには、「元ネタ」をたどっていく必要がある。今回は、以下の日本テレビの第一報に突き当たる。

 《ツナ缶にゴキブリ はごろもフーズ公表せず》(日本テレNEWS24 10/27 18時58分)

 注目すべきは、このヘッドラインからもわかるように、「ゴキブリ」というショッキングな響きと並列して、「公表せず」ということにもフォーカスを当てた報じ方になっているという点だ。もちろん、中身に関しても同様で、「公表せず」を2回繰り返して、以下のようにしめくくられている。

 《はごろもフーズはその後事実を公表せず、取材に対し「同様の申し出がなく他の商品への混入はない」として、現時点では公表や自主回収などの対応をとらない考えを示した。》

 このニュースを目にすれば、ほとんどの人は「はごろもフーズ=ゴキブリが混入しても、公表や自主回収は必要なしと考える不遜な企業」という印象を強く受ける。

 人のイメージは、最初に見たこと、聞いたことにどうしても引きずられる。この第一報によって、ネット民のみなさんの不信感や怒りが大いに刺激されたことから考えると、今回の「炎上」の原因として、日テレ報道の「印象」が大きかったことが挙げられる。

 いやいや、何言ってんだ、「公表せず」というのは「印象」じゃなくて、「事実」だろ、という怒りの声が飛んできそうだが、原発事故然り、SMAP解散騒動然り、同一の事象であっても、それを報じるメディア側のスタンス、さじ加減によって、我々が受ける「印象」が左右されてしまう、ということに異論を挟む人はいないのではないだろうか。

 今回のシーチキン報道でもレベルは違うが、まったく同じ現象が起きている。たとえば、日テレから、やや遅れて速報を打った毎日新聞では、以下のように「自主回収せず」にフォーカスを当てているものの、公表していなかったことには、言及どころかまったく問題視していない。

 《<ツナ缶>ゴキブリが混入 自主回収はせず はごろもフーズ》(毎日新聞 10/27 20時40分)

 同様に、《シーチキン缶にゴキブリ混入 体長15ミリ 山梨で販売》(朝日新聞デジタル 10/27 21時15分)と報じた朝日新聞の場合、自主回収をしないということをさらっとふれた程度で、日テレが目くじらを立てた公表の有無はスルーしている。
● 中立公平な報道などあり得ない はごろもフーズはどう答えるべきだったか? 

 一方、これらとは逆に共同通信では、日テレ同様に「公表せず」を問題視するスタイルだが、「自主回収」の有無には言及さえしていない。

 《ツナ缶に昆虫混入―はごろもフーズ、公表せず》(共同通信47NEWS 10/27 21時46分)

 もし、朝日新聞などがお題目のように唱える「報道は中立公平」というのがホントなら、このようなバラつきは絶対に生まれない。日テレもNHKも共同も朝日もみな等しく、「ゴキブリ混入」「非公表」「自主回収せず」という情報をフラットに扱うはずが、現実はそうはなっていないのだ。

 なぜか。「相田みつを」ではないが、「人間だもの」ということが大きい。

 記者も人間である。人間がやっている以上、本人が意図せずとも書いた記事には何らかの「作為」が必ず生まれる。それが受け手に、さまざまな異なる印象を与えるのだ。これが時に、記者にその気がなくとも、事実と大きくかけ離れた「印象操作」が引き起こされてしまう原因でもある。

 そう聞くと、なにやら日テレが「公表せず」を騒ぎ立ててネット民を“釣った”、かのように聞こえてしまうかもしれないが、そういう話ではない。

 大多数の記者は、自分が取材したことを、ひとりでも多くの人に読んでもらいたいと思って仕事をしている。そこで記者が知恵をしぼるのが、「問題」の設定だ。同じ「ゴキブリ混入」というお題でも、日テレと共同の記者は「自ら公表していない」ということを問題だと考え、朝日や毎日の記者は「自主回収の有無」に着目した。

 つまり、このような報道のバラつきは、ニュースの「価値」を高めようという個々の記者の工夫、つまり「作為」が招いた結果に過ぎない。このバラつきを極力抑えるため、不祥事企業は「ポジションペーパー」と呼ばれる情報整理資料を作成、それを踏まえてブレることない対応方針を定めなくてはいけないが、今回の報道を見る限り、そうしたプロセスを踏んだとはとても思えない。

 つまり、日テレや共同のような報道を招いてしまった、はごろもフーズ側の広報対応にこそ、問題があるのだ。
 
 では、ゴキブリ混入が発覚した場合、はごろもフーズはどのような対応をすればよかったのか。「模範回答」みたいなものがあるので以下に紹介しよう。

 「保健所に調査を依頼しているところで、今の段階では詳しいことは言えません。消費者に対して現状やいきさつなどの説明が必要だと考えており、ホームページで情報を公表していきたい」

 もちろん、こう答えたところで、ゴキブリ混入の写真付きというのはインパクト大なので「炎上」はするだろう。ただ、少なくとも、今回のように「上から目線」「隠蔽企業」などの批判は起きることはない。
● ゴキブリが混入しただけでは ここまでの大炎上にはならない

 そんなのは細かい話であって、ゴキブリが混ざっていただけでアウトだよ、ペヤングを見ろ、という主張をされる方もいるかもしれないが、ペヤングの場合、告発者がSNSでゴキブリ写真を拡散した、というインパクトに加え、ペヤング側がかたくなに製造過程での混入を認めない態度をとって、告発者と対立するなど、初動対応が決定的にまずかった。ここに世の批判が集まったということを忘れてはならない。

 今回は、ゴキブリ混入が発覚した時点で既に、はごろもフーズ側は混入の事実を認め、被害者にも謝罪しており、それも受け入られている。先ほどの「模範回答」のような対応をしたとすれば、一般消費者への説明と謝罪も行ったことになる。そうなると、残る争点は、自主回収や生産停止をするか否かに絞られる。担当者の発言がSNSで繰り返し拡散され、大騒ぎとなったペヤングとシーチキンでは、置かれた状況がまったく違うのだ。

 そういう意味では、今回は最初のメディア対応さえしっかりとしていれば、ここまでのバッシングは避けることができたかもしれない案件だった。しかも、普通に考えれば、はごろもフーズはそれを避けるだけの「力」もあった。

 タネ明かしをすると、先ほど出した「模範回答」というのは、NHKの取材に対して、はごろもフーズが出した回答だ。(NHK NEWS WEB 10/28 0時16分)

 日テレの第一報を受けて、ネットが炎上をするなかで、公表をしないという方針から、慌ててホームページに公表をすると明言。直後に、ホームページ上に出した「お詫び」でも、以下のようなメッセージで、日テレの「公表せず」報道を打ち消そうと涙ぐましい努力をしている。

 《お申し出いただいたお客様への対応を最優先させていただいたため、結果として公表が遅れたことをお詫び申し上げます》

 今回の対応ばかりを見ると、そういうイメージはあまりないかもしれないが、はごろもフーズは元来、この手のリスクには慣れている部類に入る企業なのだ。
● 回収・返品の嵐に幾度も耐えて 成長してきたはごろもフーズのDNA

 缶詰業界は、どうしても金属片などの混入が起きる。成分の問題や虫混入リスクなども定期的に発生している。はごろもフーズも、2013年に、「シーチキンマイルド」でアレルギーの原因となるヒスタミンが社内基準を超えたとして、約672万個を回収している。01年には中国から輸入したミカンの缶詰に異臭が発生するとして、約8万3000缶を回収。同年には「シーチキンオイル無添加マイルド」のアルミ缶のふたが混入して約3万3000個を回収している。

 さらに遡れば、1969年には会社の存続が危ぶまれた「危機」もあった。みつ豆やフルーツ缶などのほぼ全商品に入っていたチクロを、米FDAが「発がん性がある」と発表。はごろもフーズは回収を迫られた。「シーチキン」の生みの親として知られる、元同社会長の後藤磯吉氏は、当時をこのように振り返る。

 《問屋からは返品が殺到するし、「何とかしろ」と私の家にも押しかけられる。会社も自宅も返品の山となりました。そこで私は店頭、問屋を含めすべての流通在庫を回収、損害については補償もすることを決断しました。回収額は全部で約五億円と一カ月分の売上高に達し、社内はもとより同業者の中から「はごろもは、もう終わり」との声が広まりました》(日本経済新聞 1988/02/08 )

 このような「危機」を乗り超えて、はごろもフーズは今のような大企業に成長したのだ。ちなみに、その功労者である後藤磯吉氏は、今でもその名が静岡財界に語り継がれる名経営者だ。常に時代を読む先見性を見込まれ、小さな缶詰工場を営む先代・後藤磯吉氏の「婿養子」となった。

 奇遇にも、今の社長の池田憲一氏も、後藤家の「娘婿」。そのすば抜けた営業手腕を後藤家に見込まれて、38歳の若さで社長に就任した。

 数多くの「危機」を乗り越えて会社を成長させた後、2011年に逝去した後藤磯吉氏は、こんな経営観をもっていた。

 《私は経営の根幹は誠実さと人からの信頼にあると考えています。はごろもが国内最大の缶詰メーカーに成長できたのも、経営危機を誠実さで何とか克服してきたからです》(同上)

 初動はつまずいた。しかし、まだリカバリーは可能なはずだ。池田社長にもぜひ後藤氏のような「誠実さ」で、この「危機」を乗り越えていただき
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最終更新:11月3日 6時0分

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結婚しない女、したくない女

結婚願望20代で低下=子供の希望も、「経済格差影響」―青少年機構
時事通信

11月1日 18時49分|Yahoo!ニュース
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 結婚したい、子供を欲しいと思う20代の割合が大きく低下していることが1日、分かった。

 国立青少年教育振興機構が実施した2015年度の調査結果を、08年度調査と比較した。同機構の明石要一青少年教育研究センター長は「経済格差や貧困の問題などが、新しい家族をつくる足を引っ張っているのではないか」と分析している。

 今回の調査は15年12月、インターネットを通じて全国の20~30代の男女に実施。4000人の回答を分析した。前回08年度調査は18~29歳の男女2400人が対象だった。

 15年度調査で未婚者に結婚願望を聞いたところ、全体では「早くしたい」が16.9%、「したくない」が20.3%だったが、20代は「早くしたい」18.0%(08年度調査20.2%)、「したくない」17.8%(同10.1%)で、「したくない」が急増した。

 子供がいない人への質問では、子供を「結婚したらすぐにでも欲しい」が全体で18.2%だった一方、「欲しくない」は24.8%。20代は「すぐにでも欲しい」が16.5%(同17.0%)で微減だったが、「欲しくない」は21.9%(同11.1%)と倍近くになった。

 未婚者で交際相手がいる人に結婚しない理由を尋ねると、「とても」と「やや」当てはまると答えた合計割合の多い順に、「経済的に難しい」63.8%、「一人が楽」50.4%、「仕事が忙しい」48.3%だった。 
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最終更新:11月1日 21時27分

(C)時事通信/時事通信社

 

嫌われる女

ヒラリーが、しぶとく嫌われ続ける根本理由

東洋経済オンライン 

 いよいよ、米大統領選まで約一週間に迫った。ヒラリー・クリントン候補の勝利で決着するとの見方が大勢だったところに、10月28日、クリントンの私用電子メールサーバー使用問題で、FBI(米連邦捜査局)が調査を再開することを発表し、選挙戦に大きな衝撃が走っている。

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 そもそも、ドナルド・トランプのような「とんでもない」候補者がここまで粘ることができた理由として、稀代のペテン師的コミュ力や一部のアメリカ国民の間に巣食う根深い怒りや不満などが挙げられるが、もう一つ、大きな要因となったのが、相手候補クリントンの圧倒的な不人気である。なぜ、彼女はそこまで嫌われるのか。そこには、日本におけるこれからの女性のリーダーシップ向上の大きな課題も隠されている。

■史上最も人気のない候補者同士の戦い

 8月31日付のワシントンポストとABC Newsの共同調査によれば、クリントンを好ましくないと考える人の割合は56%(好ましいは41%)に上った。トランプの63%(好ましいは35%)と比べてもさほど差がない水準であり、史上最も人気のない候補者同士の戦いとなっている。

 支持率についても、クリントンとトランプとの差は6ポイント程度(10月末の時点でのニューヨークタイムズ紙調べ)。ほとんど広がっていないばかりか、1ポイント(ワシントンポストとABC News調べ)と肉迫しているとのデータもある。今回のFBIの調査再開の影響はまだわからないが、勝負がかかるフロリダ州でトランプの支持率がクリントンを上回るなど、予断を許さない展開となっている。

 もし、共和党候補がトランプでなく、あともう少しまともな候補者であったのなら、クリントンの勝ち目はほとんどなかったろうし、逆に民主党候補がクリントンでなければ、トランプがここまで躍進することはなかったのではないか。それほどまでに不人気の理由とは何か。

なぜ、ここまで不人気なのか

 クリントン嫌いの国民が理由として掲げる最も大きなものは「信頼できない」ということだ。

 FBIは以前にも国務長官時代のクリントンの私用メール問題を調査していたが、今年7月、違法行為の証拠はないとして、調査の終了を発表していた。今回は、これまで見つかっていなかった、新たな証拠となるかもしれないメールを見つけ、調査の再開に至った、と説明している。その新しいメールに国家機密となるものが含まれているのかは全く分からない、としている。

 トランプ陣営は、こうしたスキャンダルを背景に、クリントンに対し、「Corrupt(腐敗した)」などという言葉を使い、ウォールストリートなどの富裕層などから多額の寄付を受け続けていることを非難材料にしている。実際、大手投資銀行のゴールドマンサックスからは、クリントンが行った3回の講演に対し、67万5000ドル(約7000万円)が支払われたことも明らかになっている。これを追求されたクリントンは「だって、彼らがそれだけ払う、って言うんだから」と答え、全く悪びれた様子をみせなかった。このようなエピソードが権威主義的で計算高いイメージを増幅している。

 イェール大学ロースクールを卒業し、弁護士、大統領夫人(ファーストレディー)、国務長官、上院議員というきら星のような要職を歴任してきたバリキャリエリートである。それだけに、どうしても官僚的なイメージが抜けず、「上から目線」な物言いが反感を買うことも少なくなかった。かつて、「私は家でクッキーを焼いて、お茶を入れるようなそんな女じゃないわ」と啖呵を切り、物議を醸したこともあった。

■Such a nasty woman

 まさにプロの政治家であり、経験が豊富であることが逆に、現状の政治に不満を持つ人に、「彼女のせいで、ここまで状況が悪くなった」と思い込ませてしまっている。その男顔負けの強さは、長年、女性差別に対して、最前線で戦ってきた闘士そのもの。ただ、その姿が、トランプのような古いタイプの男性の目には「傲慢」で「脅威的」に映る。第三回討論会で、トランプが「Such a nasty woman」(なんてやらしい女だ)と言い捨てたのは、まさに「マチズモ(machismo 、男性優位主義)タイプ」の男性からすると最も苦手なタイプの女性だということだろう。筆者のアメリカ人の友人も「(夫である)ビル・クリントンの方がfeminine(女らしい)」と皮肉るほどだ。

 テレビ討論会では、1回目は赤、2回目は青、3回目は白、つまりアメリカの国旗色のラルフ・ローレンのパワースーツに身を包んだ。とにかく、自分を強く見せ、有能さをアピールする。長年、様々な性差別や偏見と闘ってきた彼女ならではの、武装術なのだろう。

 その鎧があまりに堅苦しく、ぶ厚すぎて、まさに超仕事ができるワーカホリック上司のように、権力志向が強く、ロボット的に見えてしまう。あまりの「用意周到ぶり」が偽善的にとらえられることも多い。トランプ支持者は「トランプは偽悪的なだけでクリントンよりもずっと正直」と思い込んでしまっている。

 オバマ大統領が、ティーンエージャーの父親として、ミシェル夫人の夫としての「素の顔」を所々で魅せ、子供と無邪気に遊び、バスケットボールに興じて、国民を魅了したのとは全く異なり、プライベートの顔もあまり見えない。要するに徹頭徹尾、共感を覚えにくいキャラなのだ。

 そもそもリーダーには2つの資質が必要だと言われている。

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ヒラリーが、しぶとく嫌われ続ける根本理由

東洋経済オンライン 

 いよいよ、米大統領選まで約一週間に迫った。ヒラリー・クリントン候補の勝利で決着するとの見方が大勢だったところに、10月28日、クリントンの私用電子メールサーバー使用問題で、FBI(米連邦捜査局)が調査を再開することを発表し、選挙戦に大きな衝撃が走っている。

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 そもそも、ドナルド・トランプのような「とんでもない」候補者がここまで粘ることができた理由として、稀代のペテン師的コミュ力や一部のアメリカ国民の間に巣食う根深い怒りや不満などが挙げられるが、もう一つ、大きな要因となったのが、相手候補クリントンの圧倒的な不人気である。なぜ、彼女はそこまで嫌われるのか。そこには、日本におけるこれからの女性のリーダーシップ向上の大きな課題も隠されている。

■史上最も人気のない候補者同士の戦い

 8月31日付のワシントンポストとABC Newsの共同調査によれば、クリントンを好ましくないと考える人の割合は56%(好ましいは41%)に上った。トランプの63%(好ましいは35%)と比べてもさほど差がない水準であり、史上最も人気のない候補者同士の戦いとなっている。

 支持率についても、クリントンとトランプとの差は6ポイント程度(10月末の時点でのニューヨークタイムズ紙調べ)。ほとんど広がっていないばかりか、1ポイント(ワシントンポストとABC News調べ)と肉迫しているとのデータもある。今回のFBIの調査再開の影響はまだわからないが、勝負がかかるフロリダ州でトランプの支持率がクリントンを上回るなど、予断を許さない展開となっている。

 もし、共和党候補がトランプでなく、あともう少しまともな候補者であったのなら、クリントンの勝ち目はほとんどなかったろうし、逆に民主党候補がクリントンでなければ、トランプがここまで躍進することはなかったのではないか。それほどまでに不人気の理由とは何か。

なぜ、ここまで不人気なのか

 クリントン嫌いの国民が理由として掲げる最も大きなものは「信頼できない」ということだ。

 FBIは以前にも国務長官時代のクリントンの私用メール問題を調査していたが、今年7月、違法行為の証拠はないとして、調査の終了を発表していた。今回は、これまで見つかっていなかった、新たな証拠となるかもしれないメールを見つけ、調査の再開に至った、と説明している。その新しいメールに国家機密となるものが含まれているのかは全く分からない、としている。

 トランプ陣営は、こうしたスキャンダルを背景に、クリントンに対し、「Corrupt(腐敗した)」などという言葉を使い、ウォールストリートなどの富裕層などから多額の寄付を受け続けていることを非難材料にしている。実際、大手投資銀行のゴールドマンサックスからは、クリントンが行った3回の講演に対し、67万5000ドル(約7000万円)が支払われたことも明らかになっている。これを追求されたクリントンは「だって、彼らがそれだけ払う、って言うんだから」と答え、全く悪びれた様子をみせなかった。このようなエピソードが権威主義的で計算高いイメージを増幅している。

 イェール大学ロースクールを卒業し、弁護士、大統領夫人(ファーストレディー)、国務長官、上院議員というきら星のような要職を歴任してきたバリキャリエリートである。それだけに、どうしても官僚的なイメージが抜けず、「上から目線」な物言いが反感を買うことも少なくなかった。かつて、「私は家でクッキーを焼いて、お茶を入れるようなそんな女じゃないわ」と啖呵を切り、物議を醸したこともあった。

■Such a nasty woman

 まさにプロの政治家であり、経験が豊富であることが逆に、現状の政治に不満を持つ人に、「彼女のせいで、ここまで状況が悪くなった」と思い込ませてしまっている。その男顔負けの強さは、長年、女性差別に対して、最前線で戦ってきた闘士そのもの。ただ、その姿が、トランプのような古いタイプの男性の目には「傲慢」で「脅威的」に映る。第三回討論会で、トランプが「Such a nasty woman」(なんてやらしい女だ)と言い捨てたのは、まさに「マチズモ(machismo 、男性優位主義)タイプ」の男性からすると最も苦手なタイプの女性だということだろう。筆者のアメリカ人の友人も「(夫である)ビル・クリントンの方がfeminine(女らしい)」と皮肉るほどだ。

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